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地デジエリアマップ

公開中

現在地から地デジ中継局への方位・距離・受信の目安と放送区域を地図で確認できる、アンテナ方向合わせ支援アプリ

公開日 最終更新日

屋外で空に向けてスマートフォンをかざし、画面の方位表示を確かめている場面

対象ユーザー

  • テレビアンテナの向き調整や受信改善で困っている人
  • スマホのセンサーや地図表現の実装に関心がある開発者

解決する課題

テレビが映らない、ブロックノイズが出る。そんなときに最初に確かめたいのはアンテナの向きですが、狙うべき地デジ中継局は地域ごとに違い、その場所と方位を調べるだけでもひと手間かかります。

地デジエリアマップは、この調べものをブラウザだけで済ませるためのWebアプリです。現在地の取得、住所検索、地図の長押しのいずれかで受信位置を指定すると、受信候補の中継局が地図とリストに並び、局ごとの距離、方位、物理チャンネル、受信の目安を確認できます。

想定しているのは、アンテナ工事の現地調査や引っ越し先の受信環境の事前チェックといった、受信トラブルの一次切り分けです。専用の測定機器の代わりにはなりませんが、「どの局を狙い、どちらへ向けるか」の見当を付けるところまでを受け持ちます。

主な機能

既定のモードは地デジ受信チェックです。指定した受信位置から120km以内の中継局を推定受信レベルの高い順に並べ、アンテナの素子数やブースタ、ケーブル損失といった受信設備の条件を変えながら、「良好」「要対策」「困難」の3段階の目安で確認できます。

地図には放送区域(推定)を重ねられます。各総合通信局の区域データ(2026-07-19版)をもとに、局ごとの区域境界を24方向、15°刻みで近似し、GeoJSONのポリゴンとして描画するものです。元の区域からの逆算値であり、実際のアンテナの実効輻射電力(ERP)を表すものではない点は、アプリ内でも注記しています。

地形の影響は、国土地理院の標高タイルによる見通し判定で補います。受信位置と局を結ぶ断面の標高から、山かげになっていないかを確かめられます。複数局の比較、直近の解析の履歴、受信位置と局を人に渡すための共有リンクにも対応しています。

コンパスは、選んだ中継局へ方位を合わせるためのサブモードです。局の詳細から「コンパスでアンテナ方向を合わせる」を選ぶと、磁気偏角を補正した目標方位がコンパスに表示され、端末を回してその方位に合わせられます。BS/110°CSアンテナの方向(方位、仰角、スキューと呼ばれる偏波角)も受信位置から計算できます。PWAとしてホーム画面への追加とオフラインキャッシュに対応しており、キャッシュ済みの範囲であれば電波の弱い現場でも開けます。

開発の背景

このアプリは、カメラ映像に方位を重ねて方角を確かめる「ARコンパス」の後継です。ただ、テレビアンテナの用途では、方位を示すだけでは足りません。合わせるべき方位は、どの中継局を狙うかが決まって初めて決まるからです。

そこで中継局データの整備を進め、地デジ受信チェックを既定のモードに据えました。方位合わせは、局を選んだあとの仕上げの一歩として、コンパスのサブモードに位置を変えています。

なお、アプリ内の表記は「アンテナコンパス」のままで、本サイトでは内容が伝わりやすい「地デジエリアマップ」の名前で紹介しています。

技術と設計

Next.jsとTypeScriptで実装し、Vercelで配信しています。実行時の依存はNext.jsとReact、Vercel Analyticsだけで、地図も地図ライブラリを使わず、国土地理院のタイルをcanvasへ描く自作実装です(iOS Safariのメモリ制約に合わせたタイルキャッシュを持ちます)。

受信の目安は自由空間モデルで計算します。免許上の実効輻射電力と距離から電界強度を推定し、アンテナ利得やケーブル損失を加えて受信機入力レベルへ換算する、見通しを前提とした単純なモデルです。計算結果にはモデル名(free-space-v1)を記録し、将来、地形を考慮したモデルへ差し替えられる口を設けています。受信レベルや見通し、衛星方向などの計算はDOMに依存しない純関数に切り出し、Vitestの単体テストで検証しています。

中継局データは全国54親局、287サービスを収録しています。物理チャンネルと実効輻射電力は総務省の無線局免許情報(2026-07-16取得)と照合済みで、座標は公開資料に基づく代表値です。局ごとに「公式確認済」か「暫定」かの検証状態を持たせ、裏取りの進み具合をデータ自体に記録しています。

方位の取得は従来どおり、iOSのwebkitCompassHeadingとAndroidの絶対方位イベントを優先して使い分けます。この実装の経緯は、開発記事「スマホのコンパス方位をWebで取得する」で紹介しています。

現在の状態と既知の課題

公開中(active)として運用しており、局データと機能の更新を続けています。

推定受信レベルは見通し想定の目安で、実際に受信できることを保証するものではありません。放送区域(推定)も公開区域からの逆算値、方位も端末の地磁気センサーに基づく参考値です。工事の可否のような重要な判断には、専用の測定機器による実測をお使いください。

収録局は親局が中心です。免許情報との全国照合で、親局級でありながら未収録だった5サイト(高松、鶴岡、佐世保、浜松、新居浜)が見つかり、現在追加作業を進めています。小規模な中継局から受信している地域では、候補が実態と合わないことがあります。

アンテナの向き調整そのものの手順は、ガイド「テレビアンテナの向きを方位で合わせる方法」で、中継局の調べ方から受信確認まで順に解説しています。

スクリーンショット

  • 地デジ受信モードのリスト表示。現在地から各中継局への距離・方位と受信の目安が一覧できる
    地デジ受信モードのリスト表示。現在地から各中継局への距離・方位と受信の目安が一覧できる
  • コンパスモードの画面。コンパスリングと方位矢印が表示され、選んだ中継局の方位に合わせられる
    コンパスモードの画面。コンパスリングと方位矢印が表示され、選んだ中継局の方位に合わせられる

分野・使用技術

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