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BenriWorks Lab

wavelane

公開中

陸上無線技術士の学習に向けて、電波伝搬をスライダー操作と3D断面図で体験しながら計算練習できる学習ツール

公開日

夕暮れの空を背景に、山の稜線にそびえる送信鉄塔を見上げた写真

対象ユーザー

  • 一陸技・二陸技など無線従事者資格の学習者
  • 科学計算の可視化に関心がある開発者

wavelaneは、第一級陸上無線技術士(一陸技)と第二級陸上無線技術士(二陸技)を目指す人に向けた、電波伝搬のインタラクティブ学習ツールです。スライダーを動かすと図と数値がその場で応答する体験で、試験の「式」と電波の「現象」を結びつけることを目指しています。

解決する課題

一陸技や二陸技の無線工学では、自由空間伝搬損失や電波の見通し距離、ナイフエッジ回折といった伝搬の計算問題が出題されます。式を覚えて数値を代入すれば答えは出ます。ただ、距離が2倍になると損失が約6dB増えるといった変化の感覚は、紙の上の代入を繰り返すだけではなかなか身につきません。

wavelaneでは、距離、周波数、アンテナ高などのパラメータをスライダーで動かすと、断面図と損失カーブ、計算値が同時に更新されます。どのパラメータが式のどの項に効いているのかを、操作と応答の繰り返しで確かめられます。

主対象は一陸技と二陸技の受験者ですが、第一級陸上特殊無線技士(一陸特)の受験者や、無線工学を学びはじめた人も想定しています。

主な機能

ビューは9つあります。自由空間伝搬(距離減衰カーブ)と電波見通し距離(地球の曲率を誇張した断面図)は無料で使えます。ナイフエッジ回折、2波モデル、アンテナ利得、VSWR、電界強度、導波管の6ビューと計算練習は、有料版(Pro)向けとして提供する予定の機能です。

たとえばナイフエッジ回折のビューでは、障害物の位置と高さを動かすとフレネルパラメータと回折損失(Lee近似)が更新され、第1フレネルゾーンの楕円が断面図に重なって表示されます。スライダーには数値の直接入力を併設しているので、問題集の数値をそのまま入れて確かめる使い方もできます。

計算練習は、自由空間からアンテナ利得、導波管まで9カテゴリあります。過去問の転載ではなく、テンプレートから数値を乱数生成して出題する方式です(過去問そのものの収録は、著作権の処理が必要なため見送っています)。解答は数値入力で、判定には±0.5dBまたは±1%の大きい側を許容誤差とし、解答後には公式、数値代入、結果の順で途中式がKaTeXで表示されます。正答率はカテゴリ別にブラウザ内(localStorage)へ保存され、学習データをサーバーへ送信することはありません。

開発の背景

無線工学の教科書は、伝搬の式と代表的なグラフを載せています。しかしグラフは印刷された一枚であり、自分の選んだ条件でどう変わるかまでは教えてくれません。式の項を一つずつ動かして応答を見るという操作は、紙の上では手間がかかりすぎます。そこで、解説を読む教材ではなく、パラメータを動かすと図と数値が応答する教材という形を選びました。

技術と設計

Next.js 15とReact 19、TypeScript(strict)を基盤に、スタイリングはTailwind CSS v4、状態管理はZustandです。断面図の描画にReact Three Fiber、損失カーブなどのグラフにRecharts、数式表示にKaTeXを使用しています。

伝搬の計算は、UIから独立した純粋計算の層にまとめています。この層は周波数MHz、距離km、高さm、損失dBという試験の表示単位のまま計算する規約で、単位変換のバグが入り込む場所を減らしています。Reactや描画ライブラリへの依存はESLintの設定で機械的に禁止し、画面側から計算層を直接呼ぶことも禁止して、状態管理の層だけを入り口にしています。

テストはVitestで17ファイルあります。受け入れ基準の計算値は工学系の標準テキストの数表と照合した値で固定し、自由空間損失の式が試験で使う定数32.45の形になっていることを判別するテストも含めています。

有料版で使う予定のライセンス認証は、オフライン動作を前提に設計しています。購入後にメールで届くキーをアプリに入力すると、サーバーがEd25519で署名したトークンが端末に保存され、以後はアプリに埋め込んだ公開鍵によるローカル検証だけで動作します。サーバー側に保存するのはライセンスキーとメールアドレスのSHA-256ハッシュだけで、個人情報そのものは持ちません。この設計の経緯は、開発記事「買い切りアプリのライセンスをオフラインで検証する」にまとめています。

現在の状態と既知の課題

9つのビューはすべて公開済みです。有料版(Pro)は準備中で、決済とライセンス発行の接続がまだ済んでいないため、現在はPro向けの機能も含めて全機能を開放しています。

計算は試験学習用の簡易モデルによる概算で、実際の回線設計には使用できません。2波モデルの反射係数は完全反射(Γ = -1)に固定し、VSWRは純抵抗の負荷だけを扱うなど、試験の標準的な仮定に合わせた簡略化を含みます。見通し距離の断面図で地球の曲率を誇張して表示していることも、画面上に明記しています。

このツールだけで試験対策が完結するとは考えていません。式と現象を結びつける練習の場として使い、仕上げは教科書や問題集で行うことを想定しています。

分野・使用技術

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